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「私たちの現在点:ウクライナ「これまで」と「これから」~一局集中時代の終末

/マイク・スレボダ(モスク…」The Sun Snorer Pressのスレッド
31372022-03-12 20:39:05

 

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私たちの現在点:ウクライナ「これまで」と「これから」~一局集中時代の終末 /マイク・スレボダ(モスクワ国際関係アナリスト) &アーニャ・パーレムピル(ザ・レッドライン/ザ・グレイゾーン)/ 前編

 

①マーク:モスクワは軍事キャンペーン最初の数日においてたくさんのミステイクを犯しました。それは作戦があまりにもソフト過ぎたという意味です。 キャンペーンの目的の一つはウクライナ人のあるグループを、ウクライナ人の別のグループの暴力から保護することでした。

②マーク:ロシアは初めからウクライナと戦争するつもりなど全くなかったし、今もないのです。ロシアが保護しようとしているのは他でもない東ウクライナ・※ドンバスの人々です。彼らは過去8年間にわたってキエフ政府の砲撃対象になってきました。

③※ドンバス:ウクライナ東部の隣接する2つの共和国(自治州)ドネツスク、ルガニスクを包括する地域を指す。

 

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④マーク:ドンバスの人々が砲撃を受けている理由ですが、8年前の2014年に、アメリカと西欧諸国に支援されたウルトラナショナリストのグループが、ウクライナの民主的に選出された政府をクーデターで倒して政権を強奪しました。

⑤マーク:ドンバスの人々は、自らが選んだ政府を暴力でしかも外国勢力の支援によって倒した現政権を決して認めない。それがクーデター政府から砲撃を受け続けている理由です。

⑥マーク:キャンペーンの二番目の目的は、ロシア自身の安全保障です。この8年間、ウクライナで起きていることはウクライナNATO化でした。具体的に言うと、ウクライナ国内にNATOの軍事基地を建設する。

⑦マーク:10,000人を超えるNATOのトレイナーとアドバイザーが核兵器を含む大量の武器を携えてウクライナになだれ込んで入ってきました。ロシアへの敵対心をあからさまにする外国勢力がモスクワの目と鼻の先でずっとこれをやっているわけです。

⑧マーク:ロシアに限らずどこの国であれ、それを許容できるはずがありません。ロシアにとって、それはキューバ危機に匹敵する生存上の危機なのです。

⑨マーク:三番目の目的は、キエフの7年にわたるミンスク合意不履行に対する回答です。ミンスク合意の内容は、ドンバスに対する武力行使を停止し、ドンバスの政治的・文化的権利を保証することでした。

⑩マーク:モスクワにとってはそれがキエフとの妥協点だったし、なんとか平和的な解決を見出すために結ばれた合意だったのです。また、ミンスク合意は正式な国連決議であり、アメリカ合衆国を含め、国連安保理で満場一致で可決された国際条約です。

⑪マーク:そして7年間、ロシアはキエフにその履行を求め続けてきました。しかし、キエフは決してミンスク合意を履行しないと国民に向かって公言して憚りませんでした。そして、誰もがキエフが履行することはないと知っていました。

⑫マーク:ロシアは戦争をしにウクライナに入ったのではありません。特にドンバスのウクライナ人と戦うつもりは毛頭ありません。 四番目の目的は、2014年にクーデターで政権をとった現政権を排除することです。これをウクライナの非ナチス化(denazification)と言っています。

⑬マーク:しかし、私は非バンデラ化といった方が正確だと思っています。ステパン・バンデラという超国家主義ファシズムの思想的指導者に導かれ、彼の死後も連綿とその伝統を引き継いでいる過激グループが、マイダンクーデターの首謀者たちであり、現政権を構成しているからです。

 

※Stepan Bandera

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⑭マーク:すると、「ゼレンスキーはユダヤ人なのに、どうしてネオナチなのだ?」と思う人がいるでしょうね。確かにゼレンスキーはユダヤ系です。ゼレンスキーのパトロンがやはりユダヤ系でウクライナのオリガルヒ、イホール・コロモイスキーという人物です

※Kolomoisky

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⑮マーク:コロモイスキーは最初からマイダンのクーデターの武装実行部隊に武器支援していました。しかも彼はそのことを少しも隠さず、ウクライナの新聞でそれを公に吹聴しているくらいです。

⑯マーク:アゾフ・ザ・ライトセクター(Azof the Rifght Sector)、C14は議論の余地なしにネオナチのデス・スクワッドです。武装したネオナチ・デススクワッドを国家が有し、政府に従わない自国民を殺すためにそれを使う。そのとき、私たちはそれを民主国家の大統領と呼ぶことはできないのです。

⑰マーク:ユダヤ系であろうとなかろうと関係ありません。

⑱マーク:オバマ政権でペンタゴン高官だったエバリン・ファーカスが一ヶ月半ほど前にディリー・ビーストの記事で「たぶん、キエフの政権は極右かもしれない。しかし、この際、イデオロギーはどうでもいい。ウクライナアメリカにとって生存上の闘いなのだ」と書いています。

※Evelyn Farkas

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⑲マーク:ファシストであっても構わないとはっきり認めているのです。私は数日前、ウクライナ議会の2022年-2023年著名人リストのコピーをホームページにポストしました。

⑳マーク:そこにずらっと並んだ顔ぶれは、ウクライナの歴史でナチス占領時代にホロコーストに積極的に関わった人々の中でもとりわけ凶暴な殺人鬼たちでした。キエフの政権はその一人一人をウクライナの国家的英雄として褒め称えているのです。これは冗談ではありません。

㉑マーク:あなたは私のページに行って、彼らが一体どういうことをやったのか、その残虐行為のリンクを確かめることができます。ウクライナ政府はリストの人物をネオナチではないと言っています。確かにネオナチではありません。ナチスのオールド・スクール、オリジナルそのものです。

㉒マーク:バンデラ主義ファシストナチスです。 アーニャ:彼らはそれを隠そうともしませんよね。 マーク:隠そうともしていない(笑)。ペトロ・ポロシェンコのヨーロピアン・ソリダリティ党のナンバー2人物アンドレ・ペルビについては、私も知っているし、あなたもマックスも知っているでしょう。

㉓マーク:マックスはアメリカの官僚や政治家を取材しましたから。それからウクライナ系カナダ人の情報からも。あの日、マイダンでアンドレ・ペルビがプロの狙撃手を雇って、デモ隊と警官隊の双方に向かって発砲させ、大混乱を起こした責任者であることもわかっています。

㉔マーク:そうです。キャンペーンの目的は、❶ファシスト政権の排除、非ナチス化、❷ウクライナに建設されたNATOの軍事施設の破壊、❸東ウクライナの人々の保護です。

㉕マーク:まずキャンペーンの初日に軍事施設を空爆しました。全てがNATOが使用する目的で、NATOが資金をつぎ込んで磨きをかけた軍事施設ばかりでした。昨年11月からの事の成り行きに精通している欧米最高の軍事アナリストたちが実は私と同じ見方をしているのです。

㉖マーク:私の言うことは信じなくてもいいです。私はモスクワの人間ですから。しかし、欧米の軍事アナリストたちが言っているのなら、信じてもいいのではないですか?

㉗マーク:CNASのマイケル・コフマンやForeign Policy Research Institute’s Eurasia Programのロブ・リーなどは「ロシアが犯したミステイクの一つは、作戦開始の最初の数日において作戦がソフト過ぎたことだ」と言いました。

※Michael Kofman ※Rob Lee

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㉘マーク:「最初の4、5日において、ロシア軍は戦力のほんの僅かな部分しか使っていない。ロシアが最も得意とし、また高い評価を得ている重火器に至っては全くと言っていいほど使っていない。彼らは片手の指で足りるほどの限定的な空爆を軍事施設に対して行っただけだ。」

㉙マーク:「彼らは戦闘爆撃機を使っていないし、電子戦さえしなかった。」 ウクライナのインターネットも電話も電報も全く平常通りに動いていたことにあなたも気づいていたと思います。キエフはやりたいようにプロパガンダをしました。しかもそれだけではありません。

㉚マーク:あなたは私を信じなくてもいいです。私はモスクワの人間ですから。欧米のアナリストの言ったことを信じてください。彼らは言いました。

㉛マーク:「ロシア軍はウクライナ市民の犠牲を最小限に抑えようと努力しているだけでなく、ウクライナ軍の犠牲も最小限に抑えようと努力しているのだ。武器を捨てて、降伏させることを望んでいるのだ。ロシア軍はウクライナ軍と戦うためにここにいるのではない。」

㉜マーク:「ウクライナをクーデターで乗っ取った憲法違反の現政権を排除するためにここにいるのだ。」 これを信じるに足る十分な理由があります。なぜなら、2014年のクーデターの後、ウクライナ軍は事実上、蒸発して消えていたからです。彼らはクーデター政権の命令に従いませんでした。

㉝マーク:ドンバス制圧に赴いた戦車部隊に対し、ドンバスの市民たちは勇敢にも路上に出て戦車を止めたのです。それで戦車隊もそのまま引き返して解散した。そしてみんな家に帰りました。その後、マイダンの極右武装隊がやってきてドンバスを遠距離から砲撃し始めたのです。

㉞マーク:あの時、ほとんどのウクライナ軍兵士が単純に脱走したか、軍務を放棄しました。もう一度、言いますが、あなたが私を信じなくて良いです。私はモスクワの人間ですから。ヨーロッパのラジオ、ラジオ・リバティの言っていることを信じてください。彼らはそれについてレポートしました。

㉟マーク:それによると、あの時75%のウクライナ海軍の兵士が脱走、もしくは軍務放棄していた。75%です。 アーニャ:わお! マーク:脱走した兵士のほとんどがクリミアを経由してロシアに行きました。クリミアにはウクライナ海軍の基地があります。

㊱マーク:ロシア軍は今回も再びあの時のように戦闘を交える前にウクライナ軍が武器を捨てることを期待していました。武器を捨てて降伏さえすれば尊厳をもって対処し、安全と身柄を保証する。ウクライナ軍は徴兵制です。少なくとも低階級の兵士はそうです。

㊲マーク:そして、東ウクライナの若い兵士たちはそもそもそこにいたくはない。ロシアと戦争もしたくない。しかし、今回はロシア軍が期待したようにはいきませんでした。この7年間でキエフ政権は軍隊の中で大規模な粛清を、しかもたいへん効果的に行いました。

㊳マーク:そして全ての指導部にキエフ政権のイデオロギーに沿った人材を配置しました。つまり、西ウクライナ人で、かつロシア人を狂犬病のように憎んでいる人材です。そして、彼らは東ウクライナ人については少しも配慮していない、そういう人材を配置したのです。

㊴マーク:私はすでにライトセクターのAZOFについて言及しましたが、彼らはウクライナ軍、警察、情報局、メディアを完全に掌握し、徴兵された兵士に対する情報の流れを完全にコントロールしていました。そして政府の命令に従わない者、疑問を持つものに対しては極めて残虐な報復をもって応じました。

㊵マーク:メディアの掌握が功を奏したのか、8年間でウクライナ人全体を、マイダンのクーデターを支持しない東ウクライナ人を含めて、ロシア人は侵略者なのだと洗脳することにかなり成功するようになりました。さて、これから数日の間に私たちはその結果を見ることになるでしょう。

㊶マーク:作戦初期においてソフト過ぎたというミステイクをロシア軍は緊急修正し、徐々に兵力を増強しつつあります。と言っても、まだまだソフトな戦略ですが。ロシア軍は既に全てのウクライナ西南海岸部を制圧し、そこにある都市を解放しました。ウクライナの最後の砦がマリー・オーパルです。

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㊷マーク:現在、そこで熾烈な戦闘が繰り広げられているところです。おそらく、そこで多くの血が流されるでしょう。マリー・オーパルこそがAZOFのヘッドクォーターだからです。

㊸マーク:マリー・オーパルにAZOFのヘッドクォーターが置かれた理由は、そこからマイダン・クーデターに反対していたドネツスク共和国(自治州)を直接攻撃できるからでした。ですから、ことの成り行きとしてマリー・オーパルは流血の地になるはずです。

㊹マーク:しかし、いったんマリー・オーパルが陥落すれば、西南部のドネツスクからドニエプル川までのルートが一気に繋がります。

 

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㊺マーク:それから今、ロシア軍は東北部の都市でウクライナ第二の都市ハーコフを完全に包囲しています。住民のほとんどが親ロシアですが、それが結果にどういうふうに影響するでしょうか。キエフ政権はそこに多くの軍を送り込み、住民を包囲しています。

㊻マーク:できるだけ流血を避けたいロシア軍に対して、できるだけ多くの血を流すことで泥沼化させたいウクライナ軍がハーコフで対峙しているわけです。 また、ロシア軍のキエフ包囲も効果的に完了しました。そしてそこにあるウクライナ情報局のヘッドクォーターを占拠しました。

㊼マーク:2014年にキエフの街角で市民を無差別に拘束してはそこに連れて行って拷問していたとアムネステイ・インターナショナルとヒューマン・ワッチさえ報告していた所です。キエフを含む東ウクライナでは、ほとんどの人がマイダンの政府に反対していましたから。

㊽マーク:迅速かつ効果的攻撃で犠牲を最小限に抑え、蛇の頭だけを潰したいというのがロシア軍の希望です。そしてゼレンスキーを排除して、2014年以来ゼレンスキーが停止していたウクライナ憲法に則った秩序を回復したい。

㊾マーク:しかし、そのためには初期の作戦がソフトすぎたので、今、急いで修正しているところです。しかし、それでもやはりムチではなくアメによる作戦ですね。西側のプロパガンダマシーンは、特にアメリカのそれは世界一強大で、ロシアや中国のものをはるかに凌いでいます。

㊿マーク:それがご存知のように、世界中に盛んに反ロシアのデマをばら撒いている。疑いなく、情報戦においてはキエフの政権が勝っている。たとえば、あなたも「スネーク島の英雄たち」という話を聞いたでしょう。 アーニャ:はい。

51. マーク:「その島の小さな基地に、勇敢なウクライナ海軍歩兵隊がいた。そこにロシアの戦艦が来て降伏を勧告したが、彼らはFu*k, ロシア戦艦!と言って拒否した。ロシア戦艦は熾烈な砲撃を開始し、歩兵隊は最後まで勇敢に戦って全員が戦死した。ウクライナの自由万歳!」というものです。

52. マーク:ゼレンスキーは全員を英雄として表彰し勲章をあげました。メイン・ストリーム・メディアもソーシャル・メディアも一斉にその英雄的行為を讃え、バナーが貼られ、Tシャツが作られ、OUN(ウクライナ民族主義者組織)の新しい象徴となっています。ただし、この話には一つ問題があります。

53. マーク:つまり、全部が事実と異なるという問題です。83名の歩兵がいましたが、ロシア軍が降伏を勧告するや否や、ほとんど同時に全員が降伏したというのが事実です。彼らはみな尊厳をもって大切に扱われ、敵対的な行為をしないという書類に署名させられるとすぐ家族の元へ帰されました。

54. マーク:兵士の家族らは子どもや夫が英雄として既に戦死したと知らされていたので、生きて帰ってきた彼らを見て喜んで泣きました。その様子をインタビューした動画があります。キエフ政府も後でしぶしぶ「スネーク島の英雄たち」が、人々を戦わせ続けるためのプロパガンダであった事を認めました。

55. アーニャ:あなたの言う通りですね。PR戦ではキエフが優勢です。ゼレンスキーは大した俳優ですね。それから、あなたはロシア軍は泥沼化しないことを最優先に戦っていると言いました。

56. アーニャ:しかし、アメリカ合衆国とその同盟は、この戦争には介入しないと表明しながら、一方でバイデンは少なくとも350億ドル分の武器をキエフ政府に送る許可を議会で得ました。

57. アーニャ:ウクライナ政府もウクライナ軍も機能不全に陥っている今、この350億ドル分の武器がいったいどこに行ってしまうのかという懸念が一つあります。それから、2015年からアメリカ合衆国は秘密裏にウクライナでパラミリタリーたちの軍事訓練を行なっています。

58. アーニャ:私には、アメリカの狙いがこの戦争を泥沼化することのように思えるのですが、あなたはそれについて心配していますか? マーク:私は非常に心配しています。それから秘密訓練が展開されているのはウクライナ国内ではなく、アメリカ南部州です。 アーニャ:そうでした。

59. マーク:CIAの地上戦パラミリタリー局がウクライナの極右勢力を集めて軍事訓練を開始したと、確かディリー・ビーストとポリティコがレポートしていました。西ウクライナのバンデラ主義者たちがイデオロギー的にこの任務に最も適していると考えたからです。

60. マーク:つまり、彼らはロシアを極端に憎んでいるという点で共通している。2015年の時点で既にCIAはロシアの軍事介入を予測していました。実はこれには長い歴史があるのです。すでに1940年か1950年代ごろから、 CIAはウクライナの極右勢力に武器支援を始めていました。

61. マーク:このウクライナの極右というのは他でもない第二次世界大戦中にナチスの積極的協力者だった西ウクライナのバンデラ主義者たちのことです。この西ウクライナの一部の人々のアイデンティティは単純に「ロシアへの憎しみ」で表される。たぶん、それが彼らのアイデンティティの第一条です。

62. マーク:これには歴史的・文化的理由があります。なぜなら西ウクライナは1930年代までウクライナではなかったからです。オーストリア・ハンガリー帝国の一部であり、ポーランドリトアニア連邦の一部でした。彼らは異なる宗教を持ち、東方オーソドックスというよりカトリックの別派の一つでした。

63. マーク:彼らは左翼思想を憎悪し、東ヨーロッパ全体がそうなっていったように二つの世界大戦の間隙でファシスト化していきました。彼らが崇拝する英雄はOUN(ウクライナ民族主義者組織)創始者ステパン・バンデラやウクライナ蜂起軍のドミトロ・クリャチキフスキーなどです。

 

※Dmytro Klyachkivsky

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64. マーク: OUNやウクライナ蜂起軍は第二次世界大戦中、ナチスと一緒にホロコーストを展開したです・スクワッドです。彼らの望みは独立ウクライナでした。彼らの独立ファシストウクライナが欲しかったのです。

65. マーク:彼らが標的にしたのは国中のユダヤ人、ポーランド人、東ウクライナ人、左翼思想を持つ人々、共産主義者たちで、そのホロコーストの情熱と残虐さは、さすがのナチスもあとずさりするほどでした。それらは全てドキュメント化された証拠として遺こされています。

66. マーク:それらを閲覧すると、現在、世界中のメディアネットワークの伝えている事がいかに現実と矛盾しているかという事がよくわかります。しかし、あなたがグレイゾーンでそれを紹介するとユーチューブはすぐさま削除を命じるでしょうね。そしてあなた方は今まで以上に仕事がやりにくくなります。

67. マーク:けれども、もし、興味があるのなら、OUNやウクライナ蜂起軍の歴史的犯罪をドキュメントで見ることができます。彼らは東ウクライナの人々と全く異なった国家同一性観を持っている。東ウクライナの人々は自らをスラブ人と見做しています。

68. マーク:これはプーチンが先日話した通りですが、それだけでなく世論調査がそれを裏付けてい流のです。ゼレンスキーもオリジナルは東ウクライナの一議員でした。汎スラブのキャンペーンさえしていたことがあったのに、今ではすっかり180°変わってしまったのです。

69. マーク:キエフに人質となっている間にそのイデオロギーを自分自身のものにしてしまった。彼はユダヤ系人物ですが、大晦日の夜にウクライナの極右ネオナチ戦闘員にメダルを授与し、英雄として讃えた。

70. マーク:ウクライナにおいて、ウクライナ人による別のウクライナ人大量殺戮を英雄的行為として表彰したのです。私たちは全くオーエリアン的世界に住んでいるようですね。

71. マーク:しかし、いずれにせよ内戦は避けられないでしょう。マイダンのクーデターが未遂に終わっていたとしても、内戦は別の形で続けられていたことでしょう。ただし、それは西ウクライナでの話になったでしょうが。私はロシア軍は西ウクライナにまでは侵攻しないだろうと思っています。

72. マーク:なぜなら、東ウクライナでは人口の60~70%がロシアのロシア軍を支持しているか、もしくはここに居ても構わないくらいに思っている、少なくともそういう希望が存在します。しかし、西ウクライナでは93%がロシアに強硬に反対している。そういうところに入って行くべきではありません。

73. マーク:西ウクライナに対し、これからどんな政策で臨むべきなのか。私には正直言って想像もつきません。冷戦時代のドイツのように東西に壁を築くのが良いのか。今、私たちはまさしく冷戦を経験しているわけですからね。そうなれば、少なくとも東ウクライナの安全にとってはベストです。

74. マーク:いずれにせよ、かつての安定した関係を取り戻すことはほとんど不可能だと言っていいと思います。アメリカとヨーロッパは現在でも大量の武器を西ウクライナに送り続けていますから。

75. マーク:それから、東ウクライナとロシアは2014年以来抑圧されていたウクライナ憲法体制を再び復活させなければなりません。それが良い考えかどうかわかりませんが、とりあえず暫定的大統領にヤノコビッチを就任させるという方法もあるでしょう。とにかく、安定を取り戻さなければならない。

76. マーク:あなたが心配しているのはウクライナの「終わりなき殺戮」ではないですか?内戦、代理戦争 少なくとも私たちが生きている間に終わる事はないでしょう。 アーニャ:あなたから楽観的な意見を聞けるとは期待していなかったけれど、何か平和的な解決法はないものでしょうか? マーク:(笑)

77. アーニャ:しかし、アメリカが決してそれを許さないでしょうね。アメリカはずっとこれからも武器を送り続けると思います。

78. マーク:ジョン・ミアシャイマーがまさにそのことについて話しています。ジョン・ミアシャイマーは疑いなく国際関係の、今まで存在した中での最高の学者の一人です。 賛成できないところもあるでしょうが、彼は国際関係論・国際政治論の#101です。

※John Mearsheimer

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79. マーク:最近、彼はYouTubeに動画をアップしましたね。私もそれをポストしました。ウクライナの国家アイデンティティ分裂の理由と歴史的経緯、それがなぜ、そしてどのようにロシアの安全保障に関係するのか。

80. マーク:アメリカはNATOを拡大させ続け、ウクライナに介入してそこに存在する分裂を利用し続けました。そしてついに、ウクライナに反ロシアでヨーロッパ寄りの、事実上NATO加盟国のような政権を打ち建てることに成功しました。

81. マーク:そしてそれこそが、ウクライナを決定的に不安定にし、ヨーロッパを不安定にし、世界を不安定にするだろう。これがジョン・ミアシェハイマーが明快に説明したウクライナの現実です。そして彼は警告し続けました。

82. マーク:反ロシアで冷戦の設計者であるジョージ・ケナンNATO拡大に反対しています。モスクワのアメリカ大使ジョン・マットロックもNATO拡大に反対しています。それについて私は私のホームページに書きましたから、あなたも閲覧することができます。

※George Kennan

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83. マーク:そして、彼らが警告し遅れていたことが今、現在、起きているのです。ソ連崩壊後、異なる少数民族が複雑に混在する地域が地球上に残された。それぞれが異なる民族、異なる宗教、異なる世界観、異なる国家アイデンティティを持っている。

84. マーク:反ロシア戦略の条件として、それはアメリカが利用するに願ってもない環境だったわけです。2014年以前のウクライナは少なくとも国家として中立でした。大統領たちはオルガリヒたちに借りを作り、腐敗しながらも、東西の狭間でウクライナ国内と国外でバランスを保とうと努力してきました。

85. マーク:その努力が2014年のクーデターによって完全に破壊されてしまいました。燻っていた対立が一気に表面化して東ウクライナに向けて砲撃が始まりました。AZOFがオデッサで15,000人を虐殺しました。こうなってしまうと、容易に国を元に戻すことができないのです。

86. マーク:私は、「ウクライナに分裂はない」とする大西洋会議の記事を読みましたが、全く歴史にも政治にも無知な素人の記事です。現実世界に全く繋がりを持たない内容ですね。

87. マーク:私は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで、「NATO会議とウクライナ内戦の危機」というSFアニメーションのシナリオを研究していました。2010年の事です。すでに誰もが「それ」が起こることを予想していましたから。「ウクライナ内戦未来図」というSFです。 アーニャ:わう!

88. マーク:それを忠実に、今、アメリカがやっているのです。内戦に油を注ぎ、金を注ぎ、武器を注ぎ込んで、殺し合いを煽っている。今更、和解することはできない。あまりにも多くが殺されたから。今の段階で最善の道は、ミンスク合意の履行です。

89. マーク:つまり、ボスニア・ヘルチェゴビナ型解決ですね。しかし、ご存じのようにキエフの政府が拒み続けている。なぜならアメリカやイギリスやフランスやドイツが後ろから大量の武器を送りながら「絶対に履行するな!」と脅しつけているからです。

90. マーク:アメリカもフランスもドイツもすでにウクライナは自分の陣営だとみなしているので、いまさら中立なウクライナなどには我慢できない。それが意味するものは永遠の殺し合いです。

91. マーク:永久に互いに殺し合いを続けさせること、ウクライナの最後の兵士が殺されるまで、ウクライナ全土が灰燼に帰すまでそれは続けられなければならないと言う事を意味します。それを続けるために大量の武器が送り込まれている。人道を装って集められた寄付もそのようにして使われていきます。

92. マーク:これをやっているのが、アメリカやフランスやドイツだけではない、今やスエーデンやフィンランドまでやっているのです。 アメリカがヨーロッパを梃子上げしました。アメリカとアメリカ企業とそれと関係するヨーロッパの企業とが緊密に結びついて働きながらロシアに経済制裁を始めました。

93. アーニャ:次は制裁について話してください。 (前編 了、後編に続く)

94. 解説:動画の中でマーク・スレボダ氏が言及したウクライナの極右・ファシズム反ユダヤ主義反共主義超国家主義であるバンデラ主義の名は、その思想的指導者であったステパン・バンデラに由来するものです。

 

95. 当然知っているものと考えたわけでもないでしょうが動画の中で、氏は詳細な説明をしなかったので、ステパン・バンデラについてここで少し説明しようと思います。

96. バンデラは極端に排他的な民族国家主義者で独立ウクライナを目指していたために、侵略者であったナチス・ドイツから初めは冷遇されていました。

97. しかし、ドイツの電撃戦バルバロッサの衝撃を吸収したソ連が、ついに1943年2月2日のスターリングラードで決定的な勝利を収めると、

98. 守勢を余儀無くされたナチスはバンデラを指導者と仰ぐOUN(ウクライナ国家主義者組織)やUIA(ウクライナ蜂起軍)、ミコラ・レブドなどのデス・スクワッドをホロコーストの一翼を担う戦力として積極的に活用するようになっていきます。

99. 1943年から1945年にかけて主な標的となった東ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人、ロシア人、左翼、社会主義者共産主義者に対し、残虐なジェノサイド、エスニック・クレンジングを展開しましたが、

 

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100. 中でも最も凄惨を極めた事件が1943年7月、8月に起きた 「ボルヒニア、東ガリシアの大虐殺」でした。推定50,000~100,000人が殺され、村ごと消え去ってしまったところもあります。犠牲者のほとんどが女性と子どもでした。

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101. ただ殺すだけでなく、ナタや斧で体を切り刻まれ、内臓が飛び出し、遺体は無残に変形しています。 問題は、同じウクライナ国内で虐殺した側と虐殺された側が存在するということ。

102. その歪んだ関係はソ連体制下、表面的には収まっていたかに見えたけれど、ソ連崩壊後、再燃焼し、そして欧米諸国によって悪用されるところとなりました。

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103. 2010年1月22日、ビクトル・ユシュチェンコはステパン・バンデラを英雄として顕彰し、その後、ビクトル・ヤヌコビッチによって取り消されましたが、2014年以後、再び復活。 ※ステパン・バンデラを英雄として讃え、パレードする西ウクライナの人々。モニュメントや切手。

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104. ウクライナでジェノサイドは過去の忌まわしい記憶ではなく、連綿と現在につづく進行形であることを理解することが重要だと思います。

105. それが理解できて初めて、ドンバスの人々がなぜ頑なにマイダン・クーデターを拒否し続け、キエフが執拗にそこを砲撃し続けているのか、そのリアリティに近づくことができるのではないでしょうか。歴史を正しく認識することなしに、軽薄に寄付すべきではありません。 (了)